きらめく星と沈黙の月
「早く食わねぇとアイス溶けるぞ」


結局、両想いだと分かってもこういう関係性は変わらない。


だからいいのかもしれない。


サク…サク…とアイスをかじる音だけが続く。


碧は棚の上に飾ってある写真を見つめている。


埃を被っているものが多い中、あの写真だけはいつでも綺麗。


4歳くらいの碧が、自分の顔より大きいグローブを抱いる。


その隣には、有名な球団のユニフォームを着た碧パパが立っている。


「父さんにできたことは俺にもできるよな」


一輝さんはエースとして甲子園のマウンドに立ち、チームを準優勝まで導いた。


そんなことを考えてるってことは、やはり碧は予選を前に緊張しているのかもしれない。
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