この夜、返品可能です。





「何の話」

「昨日の夜の話じゃん!忘れたとか言ったら怒るけど」


「あー覚えてる覚えてる忘れもしないAマイナs」

「だまれ!ああ!」


「おまえが振ったよなこの話」

「デリカシー無し男」


「で、それが何?」

「だからぁ…、」




宵くんは昔からそう。

肝心なことをちゃんと口にしないから、わたしはひとつも宵くんの考えてることが分からない。





「宵くん、キスしたってことはわたしのこと好きってこと?」



「……あー、そんなこともしたっけ」

「おっ、おっぱい触ったことは覚えてるのにキッッスしたことは忘れるんですかどういう事ですか」


「キッッスって言うのやめて」

「kiss」

「英語にしろって言ったんじゃねえよ」



わたしはワガママで欲張りだからね、昨夜の温度は幻じゃなかったと今 宵くんの口で証明してほしいんだよ。


< 31 / 181 >

この作品をシェア

pagetop