冷徹御曹司の溺愛は突然に、烈火のようにほとばしる~愛なき契約夫婦の艶美な一夜~
車はマンションの駐車場に到着し、2人で荷物を下ろし部屋に戻った。

「響さん、運転お疲れ様でした。旅行、一緒に連れて行っていただいてありがとうございました。」

「こちらこそ楽しかったよ。ありがとう。」

「お腹すいてます?夕飯何しようかなぁ。」

「玲奈、今日は俺が作るよ。」

「まさか!ダメですよ。私の仕事ですから、響さんはお疲れだしお風呂入ってくださいね。」

「…仕事、か。」
と小さな声が聞こえてきたように思ったが響さんはそのままバスルームへ向かった。

私は冷蔵庫の中を見るとひき肉があったので簡単にドライカレーにした。

2人で夕飯を食べ、私もお風呂に入ると自室へ引きあげた。

昨日からずっと一緒だった響さん。
そばにいるのが普通になりそうで怖い。
8ヶ月後離れられなくなるのが怖い。
こんなに優しくて穏やかで、話が楽しくて一緒にいて自然で嫌味のない、何より思いやりのある懐の広い彼に惹かれない人なんていないだろう。
惹かれてはいけないのに確実に惹かれつつある自分が怖い。
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