旦那様は征服者~琉聖編~
離してもらえない
「琉…聖、も…お願…い…身体が……動かない…」
「まだ終わらないよ……
壊れるまで…愛して…あげる…!」

ベットのスプリングが寝室に響く。
小梢は、このまま壊れて動かなくなるのではないかと思う程に、琉聖の狂った熱情に溺れていた。

「小梢…」
「琉…聖…!」
「小梢、好き!」
「琉……」
「好きだよ、小梢」
「りゅ…せ…」
「好きだ、好き、好き、好き、好き…好きだよ……
ねぇ!俺だけしか見れなくなってよ…!?
俺の声だけしか聞けなくなってよ!
俺の名前だけしか言えなくなって!!
……………早く…!
俺だけの事しか…考えられなくなってよ…!!」
「………」
小梢は、もう意識が飛んでいた。
ぐったりして意識のない小梢に、気づいてないのかそれとも気づいてる故なのか………

ベッドのスプリングは止まらない。

「小梢…俺はね、もう…小梢しかいないんだよ。
小梢しか考えられないんだよ……!?
小梢しか見えなくて、小梢の事しか聞きたくない!
小梢の名前だけ、言い続けて生きていきたい……!」
「………」

いつスプリング音が止んだかわからない位に、響き続けていた。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
スマホのアラームが鳴っている。
小梢は全然気づかない。
「小梢~!朝だよ~」
「………」
「小梢~」
「………」
「小梢ちゃ~ん!」
肩を揺すったり、頬を軽くつねったりしてみるが、全く起きない。

「育実ーー!育実!!早く来て!?」
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