翌朝、朝早くに後宮を訪れたユーリスは客間でかの人を待っている。
昨夜のうちに皇帝より会う許可はもらっている。
というより命令された。
『ユーリスよ命令だ、フローラ嬢と会い誠心誠意謝罪して許しを請うのだ』
『かしこまりました』
『和解が成立した後は改めてふたりの関係をはっきりさせる。よいな』
『もちろんです』
もとよりそのつもりで今日は来ている。
普段緊張しないユーリスは深く深呼吸をしてフローラが刺繍した手袋をした手を握る。

「待たせたな」
まもなくして始め客間に現れたのは皇帝だった。
そして後続にはマリーベル皇妃、アーゲイド男爵が続き、最後にレオンハルト皇子とアリエラ皇女と手を繋ぎフローラが入ってきた。
昨日の黒髪はすっかり亜麻色の髪に戻っていて窓から差し込む光にきらきらと煌めいていた。
その姿に胸がきゅうっと締め付けられる。
しかし、まさか皇帝一家が同席とは思わずにたじろくユーリス。
しかもレオンハルトとアリエラがフローラを守るように立ちユーリスを睨みつけるものだから困惑する。