粗大ごみを拾ってしまった(恋する冥府の王・死神シリーズ2)

上条ミイヤの生活・8-8ページ

<上条ミイヤの生活>

この年まで、33歳まで・・・
ミイヤは明るくて、勉強ができる優等生タイプをずっと演じて来た。

今もずっとその仮面をつけて生きている。

過剰適応の優等生の仮面。

最初の就職は親の強い勧めで、
中学校の国語の教師をした。

が、悪ガキとモンスター親の対応をこじらせ、半年で体を壊した。

いや、メンタルが壊れた。
そして夏休みが開けたら、
体が動かなくなり、吐き続けて、
不登校になってしまった。

社会では
優等生の仮面は通用しなかった・・・
そしてそのまま退職した。

勉強はできても、それだけでは社会では通用しない。

そして今は小さな個人塾で、国語の先生をやっている。

夜の仕事だけど、生徒は少ないし時給はいい。
昼間は大手予備校の通信指導の添削の仕事を、家でしている。

これは内職だ。

そして時折入る、単発の学生向けの模擬試験の監督のバイト。

とにかく、
何とかこのマンションの家賃は、
稼ぎださなくてはならない

非正規雇用の身であるから、
来年はどうなるかわからない・・

安定はしていない。
それを考えると贅沢はできない。

毎月の通帳の残高を、
気にしなくてはならない生活。

結婚は・・するつもりはない・・
現状維持が精いっぱいだ。

本当は、人付き合いが苦手だ。
どうしても、気をつかって疲れてしまう。
大きい声の人も苦手。

大勢の人の中にいるのも苦手。
人疲れしてしまう。
無理をすると、過呼吸を起こしてしまう。

恋愛も苦手・・
仮面の私を、好きになってくれる人はいたが・・・

自分が傷つくのが嫌、
相手を傷つけるのも嫌だから、
あくまで友達で通した。

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