砂漠の国でイケメン俺様CEOと秘密結婚⁉︎
الفصل الأخير⌛️

真珠(パール)ちゃん……いったい、どういうこと?」

大橋さんが怖いくらい真剣な顔で、あたしに問いかける。

「君の身になにがあったか、僕に説明してくれるかな?」


「えっと……これは……その……」

いきなり詰問されて、あたしはしどろもどろの挙動不審にになってしまう。


「林室長から本社の方に、君とクライアントとのトラブルの報告があってね」

——えっ、ウソっ!林室長、本社にチクってたのっ⁉︎

「誤解してほしくないんだけどさ。
……林室長は君の様子がどうもおかしい、って心配してのことなんだよ」

——えっ、林室長には、なんとなくバレていたのっ⁉︎

「実は、林さんは僕の入社時の教育係(コーチャー)でね。今でも連絡を取り合ってるんだ。
それで、ちょうどうちの部署で、こちらのプロジェクトの進捗状況について確認する必要があったからさ。林さんの口添えもあって、僕が出向いてきたんだ」

「わ、わざわざ……すいません……」

「それで、こっちに着いたとたん、君が砂漠に連れて行かれたって聞いてさ。肝を冷やしたよ。
とにかく、アブダビ事業室を挙げてみんなで情報収集してさ、なんとかミスター・マーリクが自分の部族に所縁(ゆかり)のあるこのリワ砂漠のホテルを、年間契約してるってことを突き止めたんだ。
そして、僕が大急ぎでここまでやってきたんだけど……ほんと、無事、君に会えてよかったよ」

室長代理の前田さんや、久保さんにも、ずいぶんと迷惑をかけてしまった……

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