劇薬博士の溺愛処方

「そうじゃなきゃわざわざここまで来ないよ? 可愛い後輩のためにも、一杯つきあってよ」

 そう言いながら精力剤がずらりと並ぶ棚を見て、飛鷹はくすりと笑う。

「……琉先生のことですか」
「察しがよろしいようで。ところで、僕にオススメの精力剤って何かある?」
「そうですねー、当店で一番人気のゴールド皇帝液マカプラスなんていかがでしょう? こちら滋養強壮効果でおなじみのゴールド皇帝液が更にパワーアップした商品でして、男性だけでなく女性にも人気のマカが配合されているんですよー!」

 ころりと営業トークに移る三葉を見て、飛鷹はなるほどね、と深く頷く。え、ときょとんとする三葉に、飛鷹は呟く。

「いまの三葉ちゃん、すごい生き生きしてる。こんな姿見たら、琉先生放っておけないね」

 じゃあそのゴールド皇帝液マカプラスを一本ちょうだい、と飛鷹はポケットから黒い革財布を取りだし、無造作に一万円札を手渡す。

「一万円お預かりしますっ」
「さすがに一万円入りま~す! ってのはないのか」
「しませんよコンビニじゃあるまいし」
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