暴君王子の恋の瞳に、私は映らない



あんぐりと開いた、私の口。


驚きで、瞳孔までカッと開く。




初めて、鞭光君のお姉さんに会った時も

高校生の私が、足を踏み入れる勇気すらない

高級デパートで買ったんじゃ?って感じの服を

サラッと着こなしていたし……



「むちみつ君のお姉さんって、何者?」



「なんだ、その質問は?」



「美人OL? 社長秘書? 弁護士?」



「アハハ~。なんだよ、それ」




もしや……

「モデルとか? 芸能人とか?」



「あの女が雑誌の表紙を飾ってたら、
 雑誌の信頼価値が下がるっつうの」



「そんなことないよ。
 大物オーラがすごいもん」



「化け物オーラの間違いだろ?
 グミって、俺の姉貴を買いかぶりすぎ」


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