10秒先の狂恋 ~堅物脳外科医と偽りの新婚生活~
20章:その夜

 私は大和先生の目を見つめる。

「だ、大丈夫だもん。大和先生になら何されてもいい」
「また、安易にそういうことを言って」

 先生は困ったように笑って私に口づけると、そのまま耳元にキスをしてから低い声で告げる。

「もう止めてあげられないよ」

 その響きに、期待するように背中がぞくぞくと粟立つ。私が息を飲んでコクリと頷くと、そのまま先生は首筋にキスを落としていった。
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