愛してしまったので離婚してください
雅は、私のニューヨークでの検査のわずかな結果をもとに今までシュミレーションして練習をしてきてくれたのだろう。
きっとニューヨークから戻るときに、担当していた患者さんの引継ぎや片付けも多かったはずなのに。わずかな時間を私のために努力してくれていたのだろうと、言葉にしなくても伝わる。

「今日、これから検査してもいいか?」
私の返事はもちろんYESだ。

心から雅を信じている。

それから診察室の中にあるベッドに私は横になりお腹を出した。

手術で使うような青いシートをお腹にかけられる。
白衣姿の男性に私は両手と両足をがっしりと固定された。

「ものものしい雰囲気でごめんな。すぐ終わるから。我慢しような。」
「・・・」
私の隣に座る雅を見つめながら頷く。
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