【完結】甘くて危険な恋の方程式〈捜査一課、女刑事の恋と事件の捜査ファイル〉
『次から次へと、巻き起こる』


「ただいまぁ」

「おう。おかえりつぼみ」 

 捜査を終えて家に帰宅したわたしを待っていたのは、夕食を作っていた日向であった。

「夕飯もう出来るからな?ちょっと待ってろよ」

「作ってくれてたんだ。ありがとう」

 そう言うと日向は「今日は豚の生姜焼きとほうれん草の胡麻和えと、豚汁にしたぞ」と誇らしげに話してくれた。

「え、美味しそう!」

「ちょっと味濃いめになっちゃったけど」

「ううん、全然いい。ありがとう」

 美味しそうな生姜焼きにテンションが上がったわたしは「すぐに着替えてくるね」と言って部屋に戻った。

「ふうっ……っ」

 あの事件の捜査に行き詰まってしまっていたから、ちょっと息抜きしないとダメかもと思っていた。
 明日また、中山和美に話を聞きにいかないとダメかな……。

「お待たせ、日向」

「おう。じゃあ食べるか」

「うん。お腹ペコペコだったから嬉しい」

 向き合うようにテーブルに座り「いただきます」と手を合わせ、お箸を手に取りまずは豚汁から一口食べた。

「美味しいっ!」

「本当に?それはよかった」

「うわぁ。温まる〜」
< 103 / 159 >

この作品をシェア

pagetop