冷徹な恋愛小説家はウブな新妻を溺愛する。
3.

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仁さんの妻になって、3ヶ月が経った。

季節は移ろい、秋もだいぶ深まってきていて。

そんな日の昼下がり、わたしはまり子さんと一緒に庭に落ちている大量の落ち葉をホウキで掃き集めていた。

「後でこの落ち葉を使って焼き芋焼きましょうっ」

ルンルンのまり子さんとは正反対の気分なわたしは、返事の代わりに大きなため息を吐く。

「あらあら。まだあの事で悩んでいるの?」

「ええ、まぁ…」

困ったようで意地悪いようで。そんな顔で笑うまり子さんを見てわたしはまた深いため息を吐く。

まり子さんの言う「あの事」というのは、いわゆる夜の営みってやつで。

いや、もうなんなら営み以前の問題で、結婚し一緒に住み始めて3ヶ月も経つのに仁さんはわたしの手すら握ろうとしない。

いくら契約上の夫婦だとしてもだ。営みぐらいあってもいいのに。
それともわたしが未経験だという事を知って面倒臭がっているのか!?

ここまで手を出されないと女として見られていないんじゃないかと気になってくる。

確かに年齢は親子ぐらい離れているから、女として見られないって可能性は捨てきれないけど、わたし、そんなに子供かなぁ。手すら繋ぎたいと思わないぐらいなのかなぁ。

「そんな事ないわよ」

ふふっと笑われてギョッとした。

「やだ!わたし、今の声に出しちゃってました!?」

「ええ、かなりハッキリと」

その言葉を聞いて一気に顔が熱を持つ。

はっ、恥ずかし過ぎる!!

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