お飾りにしか⋅⋅⋅なれない

···到着


到着ゲートをでると
海外の方の中でも
違和感なくこちらを見ている
悠希さん。

私に手をあげながら
にっこり笑ってくれている

思わず私も笑顔がもれる
キャリアケースを引きながら
悠希さんの元へ
「身体、大丈夫?」
「はい。」
と、答えるとホッとした顔をするから
「心配かけました?」
と、悠希さんを見上げて言うと
「うん。無理を言ったかな
って。自分が会いたかったからと
いって。」
と、言うから
真っ赤になる紗雪
「⋅⋅⋅私も⋅⋅⋅会いた⋅⋅⋅かった⋅⋅⋅から⋅⋅⋅」
と、伝えると
悠希さんに手を取られて
キャリアケースも
取られて歩き始めた。

ん?と、思っていると
悠希さんの耳が赤くなっていたから
思わず笑みがもれた。

私だけでは、なかった。

二人で空港を後にして
荷物をおきに悠希さんの
アパートメントへ向かう。

悠希さんの住まいは
悠希さんの勤める病院と
友人の方と経営している病院の
間にあった。

2LDKで、お洒落な建物だった。
荷物を置いて
食事にでる。
飛行機の中で緊張して
眠れなかった私は
悠希さんのアパートメントに
戻りバルコニーの椅子に
腰かけると
気持ちよくて眠ってしまった。

悠希は、紗雪に無理をさせたのでは
ないかと心配だった。

食事をしながらも
眠そうな紗雪。
バルコニーの椅子に
座り眠ってしまった。
風が少し吹いていたので
ブランケットを紗雪にかけて
紗雪の頭を自分の膝においた。

何をされても
目を開く事はなかったが
入院をしているときも
こうだったなぁと
紗雪の頭を撫でると
「⋅⋅⋅⋅⋅はる⋅⋅⋅キ⋅⋅⋅⋅サン⋅⋅⋅」と。
寝言?

デートもない
お互いを知っているわけでもない
だが⋅⋅⋅⋅
紗雪に惹かれていった自分に
正直、驚いていた。

でも、こうやって紗雪に会って
やはり、好きだと思った。
そして紗雪も同じ気持ちで
あって欲しいと思っている。

一時間たっても起きない紗雪を
寝室のベッドへ運び
自分も横に入り
紗雪を抱き締めて目を閉じた。
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