【完結】不倫夫との離婚計画〜3ヶ月後に離婚します〜
○番外編②
番外編②
〜千洋が陽花にプロポーズするまでのちょっとのお話〜



 陽花と交際を始めたのは、十月に入ってすぐのことだった。
 陽花との出会いは、運命だった。初めて会ったその日、そう感じたんだ。

 ふんわりとしたカールに、ミルクティー色の髪の毛、そしてスラッとした身体にクリっとした目。全部俺の好みだった。
 可愛いなって、運命だなって、初めて会ったその時に感じたのだ。



「下條さん、お待たせしました」

「涼野(すずの)……さん?」
 
 涼野とは、陽花の結婚する前の旧姓だ。

 交際する前のデートの時、俺は自分でも恥ずかしくなるくらい緊張していた。
 いい大人が年下の女の子とデートするくらいで緊張するとか、情けないとさえ思ったのだけど……。

「下條さん……? あの、やっぱり変でしたか?」

 デート服であろうワンピースを気まずそうに見る陽花が可愛いくて、思わず「すごく可愛い。……とても似合ってる」と口にしたのを、今でも覚えている。

「ありがとう……ございます」

 陽花はその時、少しだけ恥ずかしそうに笑っていた。 その時の笑顔は本当に素敵で、この笑顔のそばでずっと俺も笑っていたいと、そう感じた記憶が蘇ってくる。
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