みうとうみ ~運命の出会いは突然に~
第5章 映画館デート
凪いだ海のように、穏やかに日々は過ぎていき、気づくと季節は冬から春へと移り、図書館の前の桜の大木が満開になった。
朝の天気予報でも、今日と明日はお花見日和とアナウンサーがしきりに言っていたのを思いだす。
窓に近い書架の整理をしていると、桜の下で、何組かの人がシートを敷いてお花見をしているのが目に入ってくる。
子どもたちも楽しそうに木のまわりを駆け回っている。
けれど、そうした光景は実はあまり目にはいっていなかった。
脳裏に浮かぶのは、数日前に大洋とかわした会話だった。
「ねえ、来週の週末って空いてる?」
数えて7回目に飲みに行った帰り、大洋が言った。
朝の天気予報でも、今日と明日はお花見日和とアナウンサーがしきりに言っていたのを思いだす。
窓に近い書架の整理をしていると、桜の下で、何組かの人がシートを敷いてお花見をしているのが目に入ってくる。
子どもたちも楽しそうに木のまわりを駆け回っている。
けれど、そうした光景は実はあまり目にはいっていなかった。
脳裏に浮かぶのは、数日前に大洋とかわした会話だった。
「ねえ、来週の週末って空いてる?」
数えて7回目に飲みに行った帰り、大洋が言った。