そして。



「隼輔の気持ちを一番に考えたいから、今すぐに結婚はできない。……けど」


「うん」


「私、結婚するなら隼也としか考えてないから」



私も、隼也と一緒に人生を歩んでいきたいよ。


隼也のネクタイを掴んで、くっと引き寄せる。


自分から重ねた唇は、慣れていないからか不恰好なものになってしまったけれど。


目を見開いた隼也が



「待って、今のは反則……」



顔を真っ赤にして手で覆うから。


滅多に見られない隼也のそんな顔に笑っていると、仕返しとばかりに私の腕を引いて激しいキスを落とす。



「俺だって、やられっぱなしじゃねぇから」


「……ずるい」


「お前の方がずるいわ、あんま煽んなよ。歯止め効かなくなるから」


「っ、馬鹿っ!」



バシンと叩いて身体を離した。


今日は遅いから、そのまま隼也は帰って行くことになり、玄関まで見送る。


その途中に隼輔が寝ている寝室を少しだけ覗いて「……おやすみ、隼輔」と呟いていたのが嬉しくて、胸がいっぱいになった。