灼けるような恋の先。
3章
修学旅行
夏休み後半の事件から早数ヶ月。
夏休みも開けて2学期も後半に差し掛かった11月。
今日から修学旅行で京都へやってきている。
あれから私達は何事もなく、何事も無かったかのように生活出来ている。
あの翌日は3人で屋台で取った金魚をちゃんと育てられるよう調べて水槽とかを買って丁寧に育てている。
楓ちゃんとは2人が離れずいてくれてるからほぼ話もしてない。
「修学旅行だりぃ、俺ら3人グループだし俺らだけで旅行でいいじゃんなーほかのやつ要らねぇ」
「他の人達と楽しむのが目的だからね修学旅行は」
「うるせぇ、別他の奴と仲良くなるギリねぇよ」
ぶつくさと文句を言いながらクラスごとに京都観光をしている中で晄と灯がそんな会話をしている。
私はそれを横で聴きながら、この分じゃ明日の自由行動の時晄めっちゃはしゃぎそうだなぁなんて思ったり。
「菫ちゃん、よかったら写真撮ってあげようか?」
写真スポットでみんなが写真を撮る中突っ立っているだけの私たちに声をかけてきたのは燈ちゃん。
「私達?」
「うん、せっかくそんなに仲良しなんだから思い出は撮っておいた方が楽しいよ!
ほらほら、3人並んで〜」
燈ちゃんはそう言うと私たち3人を並ばせてカメラを構える。
ありがたい気遣いに3人で顔を見合わせてカメラに向かってピースなんてありきたりなポーズをした。