むり、とまんない。

クールVSクール



「よーし!
今日は売って売りまくるぞー!」


「あの、あーちゃん……」


「どうしたの胡桃!
今日は大変な一日なんだから、気合い入れていくわよ!」


「そうじゃなくて……この間のドレスと違うんだけど……」


「そうだっけ?」


そうだよ!

あと30分で文化祭がはじまるというのに、私はまだドレスに着替えていなかった。


「前のは足首まで隠れてて、長袖のレースのやつだったのに……」


なのに。

どうして……!!


「なんでこんなに丈が短い上に、ノースリーブなの!?」


今私の目の前にあるのは、首は詰まってるけどノースリーブで、丈は膝上10cm以上のショートドレス。


しかも中にパニエが入ってるから、より丈が上がってて。


「まあまあいいじゃん!
色は黒なんだから、そんなに目立たないって!」


「目立つよ!」


ただでさえみんなブルーとかピンクとか、パステルカラーの淡い色なのに。


黒の人なんて、1人もいないんですけど!?


「黒髪だしちょうどいいじゃん!
足も細いしさ!」


美脚、みんなに見せてやろーよ!

どうでもいいです!
< 315 / 346 >

この作品をシェア

pagetop