彷徨う私は闇夜の花に囚われて



私に嫌われないか不安になるその姿はちょっと可愛いなって思ったりもする。


……私、性格悪い人みたい。


「そっか……よかった」


はぁーっと大きく息を吐く紅バラさん。


こちらにまで安心が伝わってくるのは不安が大きかったせいなのかな。


好きな人から一緒にいなくても想われているなんて贅沢で、気持ち悪く感じるはずもないのに。


そんな考えが思い浮かぶ紅バラさんこそ、逆に気持ち悪いって思っちゃうタイプなのかも……。


と、大きな不安が襲い掛かってくる。


「実は私も、気づいたら紅バラさんのことを考えてぼーっとすることが増えちゃって、私だけじゃないんだって安心したんですけど……もしかして、紅バラさんは気持ち悪いって思いますか……?」

「そんなわけがない!めちゃくちゃ嬉しくて可愛いなって思うよ!!」

「そ、そうですか」


私の怯えをもの凄い勢いで払いのけられ、後半には優し過ぎる熱を乗せられたから。


私の中には甘いドキドキだけが残った。


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