ジェラルドがミリエラのために用意したのは、子供用の錬金術の工具一式であった。

 火を使う時は、大人についていてもらわないといけないが、素材を切るためのナイフや、混ぜるためのボウル――素材によって使い分けるため、様々な金属製である――に、すりつぶすための乳鉢等である。

 当面、錬金釜についてはジェラルドのものを使わせてもらうことになった。ジェラルドがいない時に仕事部屋に入るつもりもないから十分だ。

 その前に、まずはマナの扱いについて慣れる必要がある。ジェラルドの仕事部屋の中にミリエラのためのスペースが用意された。

「うりゃああ!」

 気合を込めて、オーランドのマナリングにマナを流し込む。これがないと、オーランドは普通に生活することも難しい。

 屋敷には、マナを補充できる人間はたくさんいる。執事やニコラもそうだ。それに、もちろんジェラルドも。使用人の数を制限していた頃は、父自ら屋敷中のランプにマナを補充したこともあったようだ。

 今、オーランドのマナリングを借りているのは、マナを流し込む練習のためだ。