マナリングは魔石を加工したものが主材料なのだが、マナを内部にため込み、スイッチを押すとため込まれているマナを放出するという機能を持っている。

 マナを持たないオーランドが生活していく上で、マナリングは欠かすことができない品なのだ。

「ミリィって変だよなぁ……そんなに気合を入れないと流せないなんて」

「だって、難しいんだもん。カークなんて、流せないくせに」

「俺はいいんだ。父上のあとをつぐからな」

 カークは、マナの保有量は十分なのだが、魔術師になれるほどではない。錬金術も魔術の一種とされているから、当然、錬金術師にもなれない。

 オーランドもニコラも自分の好きなことをやればいいと言っているのだが、カークにとっては、ミリエラを守るのが一番らしい。

(うちの家庭環境のせいで歪んじゃったわけじゃないよねぇ……大人になるまでに、本当にやりたいことが見つかるなら、それでいいんだけど)

 前世では成人していたミリエラからすると、ジェラルドと自分のせいでカークの夢が歪んでいるのではないかという一点だけが心配だ。