想いのままに心のままに ~結婚より仕事の30女が身ごもりました~
「代わってやりたいよ。本当に。」
なぜ二人の子供なのに、つらい思いをするのが恵理だけなのか不公平だと思いながら、宏貴はいつもそう言ってくれる。
「生まれたらパパの出番がいっぱいになるよ、きっと」
「お前、パパとか言うなよ。ばか、お前。」
明らかにでれでれと照れている宏貴。

「少し休むね。」
「おう。パパに任せなさい。」
まんざらでもない状態の宏貴に笑いながら、恵理は目を閉じた。



「・・・っ・・・」
少しして明らかにいつもと違う違和感を感じながら恵理は起き上がった。

「どうした?」
作業の手をとめて宏貴が恵理に近づく。
< 149 / 263 >

この作品をシェア

pagetop