天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~

あなたの元へ

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【魔界】



紅蓮は長い夢から覚めるようにゆっくりと目を開けた。


「「紅蓮様!」」

「皇太子殿下!」


視界には雪梨・朱雀・香林の姿があった。

心配そうにこちらを見ている。


…ここは、皇太子宮?そういえば…私は白蘭に…


起きたばかりでもハッキリと覚えている。

しかし身体を起こすもどこも痛くない。


「紅蓮様!!」

「うっ」


朱雀が思い切り抱き着いてきて息が詰まった。


「朱雀…苦しいぞ」

「心配しました!本当に目覚めないかとっ」


ぐちゃぐちゃの顔で泣く朱雀を見て笑った。


「酷い顔だ…」


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