カラフルハート
『告白するのはもう少し待ってみない?
ほら。これから学園祭とかあるしさ、両片思いのほうが焦ったくてキュンってするよ?
傍観者がね』
『いや見てる側かよ』
春陽にすかさずツッコむ蘭が通常運転で和む。
夏休みが終わってほしくないとはもう思わない。
早くまたみんなに会いたいと思う。
こんな風に思えるのは、やっぱり今の高校を選んだから。
「我慢できるかな〜…?」
年上のあっくんさんと付き合ってる恋愛の先輩の春陽が言うんだから、もう少し待ったほうがいいのかもしれない。
鍛治くんの本気、見たいし……
内心下心ありまくりだけど、その前に私が我慢できるかが問題……
『あははっ、雫は恋愛経験値少ないからなあ……焦らしたり駆け引きとかはできんでしょ』
焦らし……
駆け引き……?
みんなそんなことやってるの…?
『しーちゃん、これはラブを深めるためだよっ!ラブ試練だと思って耐えるの!
それでここぞって時が来たら、もう口から出てるからね』
『たぶん春陽は2人を見て騒ぎたいだけだけど、雫の好きなようにしたらいいよ』
「うん、ありがとう」
これが私の最終ミッションかもしれない……
そんなことを思っては、何度も鍛治くんのことを思い出して悶えるのだった。──