再会した幼馴染に溺愛されています。

「あれ秋穂ちゃんその手……。トマト、まだ渡してなかったの?」


「状況とタイミングが予想外だったからな、チャンスが無かった。でもここで渡そうと思う。」


何の話だろう。
私をよそに二人は話を続けて冬馬はポケットを漁っている。


「本当は付き合うタイミングで渡したかったが……受け取ってくれ。」


冬馬が顔を赤らめて目も合わせずに渡した箱を手に取り開けると、指輪が入っていた。

ピンクゴールドに光るそれはシンプルだけど可愛らしいデザイン……。


え?私に?


「みんなが勘違いしたっていう私とトマトが街中を歩いていたのは秋穂ちゃんに渡したそれを探してたの。」


「そういう事だ……。俺は疎いから美咲にアドバイスを貰いながら一緒に選んだっていうわけだ。」


冬馬はどんな時も私の事を考えて動いててくれたんだ。
それを私は……軽率な噂を真に受けちゃって冷たくしたり酷いことしたね。


冬馬の想いと安心感に私は涙が止まらない。
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