同居人は無口でクールな彼
「なにを?」
「すずみたいに」
翔哉くんはときどき予想をはるかに越えた行動をする。
さっきのノートのことと言い、今の発言もそう。
わたしみたいにしようとしたって……
もしかして、少しは他の人と関わろうと思ってくれているのかな……?
「ちょっとおせっかいやいてみようかと」
「おせっかい……?わたし、おせっかいじゃないよ」
「いや、十分おせっかいだろ。ノート持ってたら、普通に貸してたろ?」
「それはそうだけど……」
いつもよりも翔哉くんと会話してる。
いつからだろう。
翔哉くんが普通に話しかけてくれるようになったのは――
「おせっかいも悪くないな」
そうつぶやく翔哉くんは、やっぱり少し変わったと思う。
でも、こうして一緒に帰れる日はずっと続かない。
きっと同居生活が終わったら、なくなってしまうから……
だから、それまでは翔哉くんの隣を満喫させて――