同居人は無口でクールな彼
そして、何事もなかったかのように、颯爽と教室を出ていく。
まだ頭が混乱していたけれど、彼女たちに軽く頭を下げて慌てて追いかけた。
「翔哉くん……!」
いつものように、返事は返ってこない。
でも、話を聞いていてくれてるのは知っている。
「翔哉くん、ノート置いてあったってことは、小テストの勉強してないの?」
「俺がしてると思う?」
質問に質問で返されるとは思わなかった。
でも、確かにそう言われると……
翔哉くんは勉強してなさそうだ。
「家帰ったら、勉強する?ノート見せるよ」
「……うん。気が向いたら」
今の返しは絶対やらないパターンだなと思った。
でも、それは翔哉くんらしい。
「でも、意外だったよ。ノート見せてあげるなんて」
「……別に。ちょっとやってみようと思っただけ」