同居人は無口でクールな彼
「…………似合ってる」
間が開いてようやく口を開いた翔哉くんの言葉は、わたしがずっとほしいものだった。
「あと……かわいい」
しかも、それ以上の言葉をくれて、一気に全身が熱くなる。
顔に熱が集まっていくのが分かった。
翔哉くんのたった一言で、こんなになってしまうなんて。
ブクブクとその場に潜った。
だって、そうしていないと心臓がおかしくなりそうだったから。
「鈴香ちゃん!何してんの!大丈夫?溺れてるかと思ったよ。なかなか顔出さないから」
心配になったのんちゃんが慌てるほど、わたしは潜っていたらしい。
「熱くて……冷ましたかったの」
――――顔を。
「暑い?確かに今日は暑いよね」
……のんちゃん、そっちの“暑い”じゃないんだよ。
ドキドキして体が熱いの――
そんなことのんちゃんに言えなくて、わたしはもう一度プールの中に潜った。