同居人は無口でクールな彼
のんちゃんにはこう言ったものの、泳ぐのなんて何年ぶりだろう。
以前はクロールくらいはできた記憶があるけど、今はそれすらできるかどうか不安だった。
「足着くから大丈夫」
先に入った翔哉くんが、わたしを安心させてくれた。
ゆっくりと足を入れていくと、思いのほかすぐに足がついた。
「ほらな」
「ありがとう」
胸筋に水滴がついていて、太陽の反射で輝いて見える。
いつもよりも翔哉くんがかっこよく見えた。
「あのさ、すず……」
「…………?」
「その、水着……」
太陽の光で反射して、翔哉くんの表情がうまく読み取れない。