一途な御曹司は溺愛本能のままに、お見合い妻を甘く攻めて逃がさない
4章:1年前①

―――私が一人でローマを旅行した時、鷹也さんと出会った。

 パスポートとお金をすられ、セプティミウス・セウェルスの凱旋門の横で困っていた私を、鷹也さんが助けてくれて、手続きまでしてくれたのだ。

 鷹也さんに連れられて大使館に行くと、鷹也さんはそこの職員と顔見知りらしく、なにやらにこやかに言葉を交わしていて私は心底ほっとした。

 鷹也さんは、あとで『氷室鷹也』という名前と、ローマにある『日本の企業』に勤めているという事だけ教えてくれた。

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