私は今日も、虚構(キミ)に叶わぬ恋をする。
神展開
真昼ちゃんとのコラボカフェから数日後、月曜日の夜。


私は自室の床に転がっていた。


「……生きててよかった…………」


漫画雑誌・ダイヴを手にしながら、私はこの世に、『エレアル』のある世界に生まれたことに感謝した。

今回の『エレアル』は、それはもう、凄まじかった。

烈華様の迫力あるバトルシーン。
ライバルである埋木くんとの共闘。
極め付けは、見開きドアップで、敵に言い放った決め台詞。


『────お前は、俺が灼き尽くす』


「あ〜〜〜!」


頭に思い浮かべるだけでたまらなくドキドキして、手足をバタバタさせる。

だめだ。もう。この雑誌は開けない。

もう一度、あのセリフを口にする烈華様を目にしてしまったら、ときめきで心臓が破裂してしまう。


かっこいい。
かっこよすぎる。
世界中の人に、烈華様のかっこよさを伝えて、『これが私の好きな人なんです!』って声高に叫びたい。


「はぁ…………ありがとうございます」


思い余って雑誌にお礼を言ってしまうぐらい、私は幸せに満ち足りていた。

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