あやかし戦記　闇の中の流星
この世界の希望
「ッ！」

イヅナ・クリアウォーターの体に強い衝撃が与えられ、イヅナは体制を崩し、地面に倒れる。痛みにイヅナが動けずにいると、頭上から呆れたような声がした。

「全く、あれほど油断するなと言っただろう」

上司のツヤ・シノノメはため息をついた後、一緒に稽古をつけてもらっていたレオナード・ロマーナとヴィンセント・レゴシが走ってくる。

「イヅナ、大丈夫か？」

「立てる？手当てするよ」

イヅナはゆっくりとヴィンセントに体を起こされ、抱き上げられる。そしてそのまま縁側へと座らされた。

「いっ！」

擦り剥いて血が出ているところ、強く打ち付けてアザになっているところを二人に手当てしてもらいながら、イヅナは痛みに顔を顰める。

「だいぶ派手に転がされたんだなぁ」

「あれでもツヤさんは手加減してるんだよ」

「ツヤさんたちに勝てたこと、一回もないのよ。少しは強くなれたと思ったのに」

三人で話していると、ガラリとツヤの家のドアが開く。そして、「怪我してるじゃない！大丈夫？」と言いながらベラ・ゴドフリーが姿を見せた。途端にレオナードとヴィンセントは警戒した目を向ける。
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