<合コン狩猟の幕開け>
狩りは期待と興奮で始まる。
だが、今回は異例だ。
男組と女組、各1名が傍観者なのだ。
それで傍観者同士が、
お話をするという
段取りが組まれている。
女の子たちはメイクも念入りに、
つけまつげバシバシで気合が
入っている。
綺麗もそれなりに・・
幹事はプレイヤーではない事を
アピールする。
地味なハイウェストのワンピース。
これはひたすら食ってもウェストが苦しくないので、
実用性のある合コン定番の服装だ。
居酒屋の個室を取っておいたので、
5人×5人で向き合うように座る。
幹事役の綺麗は、
一番入り口に近い所に陣取る。
酒や料理の面倒をみなくてはならない。
女の子たちが4人、連れ立って到着した。
男の方も3人そろった。
「高梨とお客さん・・
タクシーで渋滞だって、
先に初めておいてって」
綺麗がラインの連絡を、
満面の笑みで皆に披露した。
今日はただ酒・ただ飯だっ!!。
「さぁさ・・お酒の注文、何にしますか?」
綺麗が数冊のメニュー表を
店員から受け取り、周囲にまわした。
「申し訳ない・・遅れて」
高梨が個室の引き戸を開けた。
高梨に続いて、
長身の男が入ってきた。
空気が変わった・・・
こういうのを芸能人オーラというのか・・・
全員の視線を一気に、くぎ付けにする・・
その男は軽く頭を下げて、
笑顔をつくった。
女組はみんな・・・
その姿を見て、羨望のため息を
ついた。