別れを選びましたが、赤ちゃんを宿した私を一途な救急医は深愛で絡めとる
「あっ、さつまいもご飯」
「好き?」
「大好きです」
「それじゃ、残しておくからたっぷり食べな」


さんまのかば焼き、里芋といかの煮つけ、青梗菜(ちんげんさい)と豚肉の炒め物、レンコンの天ぷら、手作りのたくあんと、おかずも盛りだくさんだ。

一流の料理人が作ったこの弁当が、七百八十円で食べられる。


「ありがとうございます」


この仕事の醍醐味は、重さんが心を込めて作った料理を味わえること。

あの味楽の味がこんなに気軽に楽しめるなんて、最高だ。


重さんは味楽での経歴を積極的に話してはいないが、その味が評判を呼び、食彩御膳はあっという間に売り切れてしまう。

周辺のオフィスに勤める人たちが買いに来るケースが多いものの、中には遠くから足を運ぶお客さんもいる。

ほかにも定番のかつ丼や、天ぷら弁当、ふわふわのだし巻きたまご弁当など、味に自信のある弁当が店内に所狭しと並ぶ。

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