唯くん、大丈夫?
「…なに?」


神が流し目でこちらをお見つめになって、お口をお開きになった。


「充電をさせていただいております」


あまりの眩さに目を細めながら神に進言した。


「さようでございますか」


神は興味なさげに言ってまた教科書に目を落とした。


もう1ページめくると、腕に巻かれた黒いレザーブレスレットのシルバーの留め具が朝日に反射して瞬いた。


「……デュフ」

「笑い方キモ」

「エヘヘ。嬉しいなぁ」

「…」


唯くんがおもむろに教科書を閉じて、黒髪の隙間からのぞく三白眼で私を見つめかえした。


クフゥ…。


「なぁに?」

「俺も充電」





私の脳内ですか?

ええ。お祭り騒ぎです。

和太鼓がドンドコしてます。

わっしょい!!

わっしょい!!

わっしょ、



「アテ!!」



後頭部に衝撃が走って、空っぽな頭からベシン!と音がした。


…これは経験したことのある痛み。
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