クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
飛竜との出会い
 結局、デーセオがレーニスを連れて飛竜舎に行くことができたのは、あれから六日後のことだった。それだけデーセオが仕事をためまくっていたということ。それでも六日でやり終えることができたのは、優秀な部下と妻のおかげかもしれない。
 レーニスは、デーセオから呪いを受けたときの話を聞き、解呪の方法を探っていた。恐らくてこずるのは進行性の呪いだろう、ということで、四つのうちの二つ目の呪いについても解呪に成功し、デーセオの顔を覆っていた刺青のような模様は次第に薄くなっている。

「レーニス」
 彼女の身体をふわりと持ち上げて、馬に乗せると、その後ろにすぐさまデーセオも飛び乗る。レーニスもいつもの軽やかなドレス姿と異なり、動きやすいようなズボン姿だ。

「ほら、ここを握れ」
 デーセオが手綱をしっかり持つようにと、耳元で言うのであれば、レーニスも少しくすぐったくて、耳の下まで赤く染まってしまう。後ろからはデーセオの手が伸びてきて、すっぽりと彼に抱きかかえられた形で馬に乗る。

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