指先から溢れるほどの愛を
番外編

なめてはいけない35歳の体力(本編では省かれていた、2人が両想いになった日の夜のことを少し……)


「お風呂、ありがとうございました」

「ん。……って、うわー、なにそれ。すっげぇそそるんだけど」

「そっ、そそ…………っ⁉︎」

「下はどうしたの」

「さすがにブカブカ過ぎて無理でした………」

「はぁ……。ミーコがオレの服着てるだけでもヤバイのに、その破壊力、半端ねぇわ………」

「〜〜〜…………っ!」

「しかもすっぴん、あどけなくて可愛すぎる………」

「かっ、かわ………っ⁉︎〜〜〜…………っ、あんまり見ないで下さいっ………!」

「うん、無理」




約五年間、ずっと片想いだと思っていた坂崎さんと実は両想いだったという奇跡の事実を知ったのはほんの数十分前。

雨に濡れた私は、お店の裏にある坂崎さんのマンションに連れられて来ていた。

10階建ての10階、1006号室。間取り2LDKだと言うその部屋は家具がモノトーンで統一されており、坂崎さんらしいシンプルな部屋だった。


湯船の準備が整った後、着替えやタオル、途中コンビニで調達して来たメイク落としなど必要なものを渡されお風呂に放り込まれて。


"髪は乾かしてやるから、上がったらそのままリビング来て"


そう言われた通り、お風呂を出てからお借りしたスウェットを身につけ、髪は軽くタオルドライだけした後リビングへ向かって冒頭へと戻る。
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