イケメンを好きになってはイケません⁈
第10章 甘々Honey Days
〔聡子サイド〕

 昨夜は彼に抱きしめられたまま、眠りについた。
 目覚めたときもそのままの姿勢で……

 わたしは彼を起こさないようにそっと、自分の頬をつねってみた。

 痛っ! 
 ってことは、夢じゃない。
 痛いのがこんなに嬉しいことなんて、はじめてだ。

 昨日はずっと夢のなかで過ごしているようで、現実感がまるでなかった。
 でも、目覚めてようやく、本当の本当に森下くんの彼女になったと実感が湧き上がってきた。

 彼が少し身をよじる。
 まだ目覚めてはいない。

 わたしはそっとベッドを抜け出し、朝食の準備をはじめた。
< 80 / 119 >

この作品をシェア

pagetop