後ろ髪引かれる思いでルーナを振り切って階段を上りきり、地上から入口の扉を閉めた。
 西の空に低く残っていた太陽が、ちょうど沈んでいくところだった。
 ……すまない、ルーナ! だが、少しの辛抱だ。ワーグナー筆頭大臣の征伐を成し遂げたら、すぐに迎えに来る――!
 俺は脇目も振らず、草木をかき分けて隊員らのもとへ駆け戻ると、計画通り宵闇に紛れての征伐を決行したのだった。