絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
 わたしがもんもんと考えごとをしていたら、背中を向けてガサガサしていたレリウスさまが、棚の中から細長いなにかを取り出して握りしめ、くるんとこちらを振り返った。
 ん? あれは――!
「ほらルーナ、おいで」
 レリウスさまに差し出されたソレを目にするや、わたしは目をハートにして飛びついた。
 ちなみに、レリウスさまが口にした『ルーナ』というのは、わたしのこと。わたしを飼うことに決めたレリウスさまが『月光を紡いだような毛色だから』と、月を意味するこの名前をつけてくれたのだ。
 聞かされた瞬間に、わたしはこの名前が大好きになった。そして『ルーナ』の名前と同じくらい、わたしは目の前のソレが大大、大好きっ!
《ふみゃ~(わぁっ! ペロルだぁ~っ!)》
 ペロルというのは、ペロペロしながら食べるスティック状のネコ用おやつ。わたしの大好物で、頬っぺたが落っこちちゃうくらいおいしいのだ♪
《ふみゃぁあ(ペロル、うまうま。うんまぁっ)》
「こーら、ゆっくり食べるんだ」
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