あなたを憎んでいる…でも、どうしようもなく愛してる

「社長、こんなに良くしていただいて、申し訳ございません。」


神宮寺は運転しながら、一瞬こちらを見ると、無言で頭をポンと叩いた。
なぜか、神宮寺の触れたところが熱く感じる。


「伊織、これから行くところは、お前にとってショックかも知れない。でも連れて行きたかったんだ…いや…連れていくべきだと思うんだ。」


神宮寺は何を言っているのだろうか、全く意味が分からない。

そして、車は間もなくして、大きな病院へと到着した。


「神宮寺社長、ここは病院ですよね?どなたか入院されているのですか?」


神宮寺は一度だけ私の方を振り返ると、そのまま前に歩き出した。

私も神宮寺の後に続き、病院内を進む。
消毒薬の香りが、病院の張り詰めた緊張感を感じさせる。
そして神宮寺は、病棟の一番上の階へと進み、大きな扉の前で立ち止まった。

入り口の扉に手を掛けて、ゆっくりと私の方へ振り返った。


「伊織、何があっても、驚くなよ。」


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