「ララ・レダー・カレリアス! よくも私を騙してくれたな!」

 突然部屋に怒鳴り込んで来たのは、王子アンセル。婚約者でありながら、実際彼と会ったのはカレリアス家で一度だけ。だから一瞬、誰が来たのかわからなかった。彼は真っ赤な顔で、小刻みに震え、とても憤慨している。
 一体どうしたのだろう。ポカンとその様子を見ている私に、更に憤り、アンセルは怒鳴る。

「しらばくれるのか? この私に嘘を吐いたのだぞ!」

「あの……さっきから何の話をしているのでしょう?」

 堪え切れず問い返すと、アンセルの後ろから、ゆったりとした足取りで姉ナタリアが現れた。