タケノコ令嬢は今日もタケノコ掘りで忙しい
 王都へ行っていたエドアルドが戻ってきた。
 レストランで季節限定メニューとしてタケノコを使った料理を売り出したところ、飛ぶように注文が入ったというのだ。メニューはもちろん炒め物とスープ。肉とナッツと筍の炒め物、肉とピーマンと筍の炒め物、卵とほうれん草と筍のスープ。今のところ、その三つのメニュー。

「もう少し、メニューも考案してみたいと言っていた」
 とりあえずそのレストランとの契約は成立だ。
「タケノコご飯の話をしたら、非常に興味を持っていた」

 タケノコはあく抜きした後、水に浸して冷暗所で保管しておけば一週間は日持ちする。その際、水は一日一回取り換える。
 エドアルドは週に一度、タケノコをいつものレストランへと持っていくことになった。しかし、その週に一度の間にタケノコの噂が王都で広がっていたため、他のレストランからもタケノコが欲しいと言われる始末。
 王都までの運搬係に他の人の協力の必要も出てきたため、そこは馬に乗れる若者に頼むこととなった。タケノコはたくさんとれるから、毎日、日替わりで誰かが王都に運んでいく。

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