溺愛体質の先輩が甘くするのは私だけ。

先輩が変装を取るのは私のため。

「千星、先輩……？」


ど、どうして……！？


「な、なにあのイケメン……！！」

「三年の佐伯先輩って、地味だったよね！？」


きゃあきゃあと教室が黄色い声で埋もれる中、唖然と私は立ち尽くすことしかできない。


「ど、どどっ……どうしたんですか？」


なんでだかわからないけれど、先輩を見てるいるととっても逃げたくなる……！！

ドキドキして、なにかが怖くて。


「真白ちゃんの様子を見にきたいと思って」

「あ、そ、そ、そうなんですね……ありがとう、ございます……」


なんだか……視線がチクチク痛い……。


「じゃあね真白ちゃん」


手を振って、綺麗すぎる顔で口角を上げておそらく自分の教室に戻って行ってしまった先輩。


「ちょ、ガチやばくない？」

「莉奈ちゃん……ほんとに、やばいよ……」


どうしよう……も、もしかして、先輩変装取るの嫌だったのに私がなにかして取らざるおえなくなっちゃった……！？


も、もしそうだとしたら……！！