クールな御曹司は離縁したい新妻を溺愛して離さない
「私、ずっと修吾さんをクールだと思っていたんです。仕事もできるし、見た目もいい。女性からのお誘いも多くて私には縁のない世界の人だと思っていたんです。けれど一緒に暮らしてみて、ちょっとした仕草が可愛らしくて、目が離せなくなりました。外では見せない姿にキュンとしたんです」  

私は顔が火照るのを感じながら話した。
修吾さんがあんなに真っ直ぐに私の思いを伝えてくれたのだから私もちゃんと話したい。

「妻として体の関係を求められた時も嫌じゃなかった。修吾さんの肌に直接触れ、私は本当の妻になれたみたいで嬉しかった。だからお腹に赤ちゃんがいるってわかった時もあなたの子だから産みたいって強く思ったんです。私ひとりで育てることになっても絶対に後悔しない自信があったから、修吾さんを自由にするため離婚を切り出しました」

「そうか。でももう離婚は考え直してくれるないか? 俺も美波との子供を一緒に育てていきたい。ふたりを幸せにしたい」

何度も何度も頷き、私はまた彼の胸に飛び込んだ。

「もう一度、最初からやり直そう」
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