遅刻しそうな時にぶつかるのは運命の人かと思っていました
2.これって出逢いじゃないの?
「わざとじゃないですよね?」
頭を下げていた亜由美の視界に革靴が入ってきたのだ。
亜由美が顔を上げると背の高いキリリとした顔立ちの男性が、腕組みをして亜由美に因縁をつけてきたおじさんを真っ直ぐ見ていた。
「あんた何にも知らないだろう? こいつ、ぶつかってきたんだよ。俺はぶつかった肩が痛いんだ」
「俺はあなたの後ろにいたんですよ。わざとじゃなかった。どうしてもと言うのなら、駅構内にも防犯カメラはあるはずだから、一緒に駅員のところに行きましょう」
「もういい。気をつけろよな!」
おじさんは先ほどまでの亜由美に対する強気な態度を覆して、さっさとその場を立ち去った。
──た……助かった……。
「ありがとうございます」
亜由美は助けてくれた男性に頭を下げる。
「いや、いいですよ。運が悪かったですね」
低くて通りのいい声に亜由美が顔を上げると涼やかな目元のキリリとした顔立ちの男性が亜由美のことを見ていた。
その顔立ちと真っ直ぐな視線に亜由美は目を奪われた。
助けてくれたことといい、絶対にいい人だわ。
頭を下げていた亜由美の視界に革靴が入ってきたのだ。
亜由美が顔を上げると背の高いキリリとした顔立ちの男性が、腕組みをして亜由美に因縁をつけてきたおじさんを真っ直ぐ見ていた。
「あんた何にも知らないだろう? こいつ、ぶつかってきたんだよ。俺はぶつかった肩が痛いんだ」
「俺はあなたの後ろにいたんですよ。わざとじゃなかった。どうしてもと言うのなら、駅構内にも防犯カメラはあるはずだから、一緒に駅員のところに行きましょう」
「もういい。気をつけろよな!」
おじさんは先ほどまでの亜由美に対する強気な態度を覆して、さっさとその場を立ち去った。
──た……助かった……。
「ありがとうございます」
亜由美は助けてくれた男性に頭を下げる。
「いや、いいですよ。運が悪かったですね」
低くて通りのいい声に亜由美が顔を上げると涼やかな目元のキリリとした顔立ちの男性が亜由美のことを見ていた。
その顔立ちと真っ直ぐな視線に亜由美は目を奪われた。
助けてくれたことといい、絶対にいい人だわ。