総長様は可愛い姫を死ぬほど甘く溺愛したい。
「私、ちょっと公園で休んできてもいい?」
「そう?分かったわ。一人は危ないからちゃんとお手伝いさんと行くのよ?」
「うん、分かってる」
その後、お母さんと家まで帰り、私はお母さんの側近である由美子さんというお手伝いさんと公園へ出かける。
「由美子さん、私に付き合ってくれてありがとうございます」
「いえいえ、満足するまで公園に居ていいですよ。私が着いていますので。あと、専属部隊も近くに呼んでおりますので」
そ、そんな大袈裟な……。でも確かに日が沈んだ頃は少し危ないよね。
私が行きたいと言っていた公園は家のすぐそこにある小さな公園だ。
昔、よく誰かと遊んでいたことだけがこの公園の思い出だ。
私は公園に入り、近くにあったベンチに座る。
「あの、大変恐縮ですがお手洗いに行って参ります。すぐに戻りますので」
私は快く了承し、夕方の公園を見つめる。
夕日が遊具に差して、とても綺麗……。
がたっ……。
後ろで何か物音がした。
そして、
「おと、は……?」
その声に私の心が温かくなる。まさか、こんな所で会えるなんて。
「裕翔くんっ……!」
「桜十葉、どうしてこの場所にいるの?ねぇ……」
裕翔くんはなぜか目を見開いたまま、私を見つめていた。
どうしてって……、