こころが揺れるの、とめられない
プロローグ
息が弾む。
ツンと鼻の奥が痛んで、視界がにじむ。
体はたくさんの酸素を欲しがっているのに、喉が腫れ上がって、邪魔をする。
苦しい。
……苦しい。
階段を一番上まで駆け上がり、重たい扉に飛びついて。
ノブをひねり、力任せに押し開けた。
ぶわり、と。
髪やスカートを持ち上げたたくさんの風が、わたしを出迎える。
視界に広がる空は、清々しいほどに青色で。
わたしの涙腺を、余計に刺激した。
< 1 / 227 >