エリートSPはウブな令嬢を甘く激しく奪いたい～すべてをかけて君を愛し抜く～

『お願い、一生私を離さないで』

　スマホのアラーム音によって目を覚ますと、キッチンからはおいしそうな匂いが漂ってきた。

　ゆっくりと起き上がって部屋を出てキッチンに向かう。すると料理をする静馬さんは私に気づく。

「おはようございます、紅葉様」

「おはようございます。すみません、朝食の準備をしてもらってしまい」

「いいえ、紅葉様は怪我をされているんですから、無理は禁物です。……それに今日くらい、私に作らせてください」

　寂しそうに話す静馬さんに、私までせつなくなる。

　あの日から五日が過ぎ、やっと円城守はすべての罪を認めたそうだ。

　静馬さんの父と同級生だった円城守は、成功者として輝く姿に妬んでいたようで、好きな女性も静馬さんの父に取られて恨んでいたそう。

　それはそれぞれ社長の座に就いてから増していったそうだ。ある時、円城守の会社が手広く展開し過ぎたために窮地に陥り、助けてほしいと静馬さんの父に助けを求めたところ、『会社を経営するということは多くの従業員の生活を守る立場に立つということ。今、助けたところで根本的な解決にならない。今一度事業内容を見直し、自分の力で乗り越えるべきだ』と助言され、強い殺意を抱いたそうだ。